かしこいに

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盗撮している人を発見したが足が震え体が凍って動けなかった

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去年、いつものように大学へ電車で通学していたある日、突然それは起きました。

 

クロスシートの電車内で、普通のサラリーマン風の服装で40~50代くらいの男性が、隣の席の若い女性の下半身をスマホで盗撮していたのです。彼のスマホを持つ両手は非常に震えていました。カメラのシャッター音が出る穴を必死になって抑えながら女性の下半身をパシャパシャと何枚か撮っていました。事はものの数秒で終わりました。

 

その女性は寝ていたので盗撮されていることに気づいていませんでした。シートは満席で私だけが立っていたのですが、他の乗客は私の立ち位置が悪かっせいで恐らく誰一人盗撮に気づいていなかったと思います。つまり、盗撮犯に対処できるのは私だけでした。

私が警察官であったなら即現行犯で逮捕していたでしょう。なんせ私の目の前で堂々と盗撮をしていたわけですから。簡単に図示すると

 

 前

乗客乗客 通 乗客乗客

乗客乗客 路 乗客乗客

女性男性 私 乗客乗客

乗客乗客   乗客乗客

後ろ

 

こんな感じで私のすぐ真横で、私から4~50cmぐらいしか離れていないところで堂々とやっていたのです。

本来ならその男性になにかしらのアプローチをかけるべきだったのですが、私は目線だけはその男性に向きながら、その場に凍りついてしまいました。

「え・・・は?え?え?は?嘘でしょ?まさか現実で本当にこんなことをやる人間がいるとは思ってもみなかった。」

盗撮を見た瞬間はこういう風に思いました。ネットやテレビを見れば盗撮関連の記事やニュース、さらに言えばそれっぽい動画なんていくらでも出てきます。しかし、それを生で、現実でそのような犯罪行為を見たことがある人は一体どれだけいることでしょう。かくいう私も完全にどこか別世界のことだと思っていました。私はやはり社会問題に疎く鈍いのだと痛感させられ、社会問題がいかにして社会問題足り得るかを理解しました。そこにあったのは生々しい現実でした。

 

そこで私は2つの選択肢を思いつきました。

①私が彼女に盗撮されていたという事を伝えず、その男性を捕縛し証拠を取り上げなければ、彼女は盗撮されていたなどとは夢にも思わずその日の生活を送ることができる

②自身の推量など無視して犯罪を見逃さずにきっちり対処する。男性に小声で話しかけスマホをおさえ、女性を起こして隣の男性はあなたを盗撮していましたと言い、警察へと連れていく

 

つまり、動くか動かないかでした。タイトルの通り、私は動けませんでした。

盗撮を見て、非常に強い嫌悪感を抱きました。まして、もし盗撮されている事をあの女性が知った場合、彼女が受ける精神的苦痛というのは想像を絶するものだったでしょう。

私は盗撮犯が悠然と電車を降りていく姿を眺めることしかできなかったのです。何の行動も起こすことができなかった。悔しくて仕方がなかった。泣きたかった。

②を実行した場合、女性がこれから被るであろう精神的苦痛を考えると、完全に足がすくんでしまったのです。あくまで推量でしかないので実際に女性が盗撮を受けたことを知った場合にどういう気持ちになるのかは分かりませんが、少なくとも気分が最悪以上のものになることは間違いないでしょう。

「知らない方がいいこともある」私の脳裏にそんな言葉がよぎり、結果として①を選びました。つまり何もできずにただ盗撮犯が降りて行くまでずっと傍観するだけでした。

 

懺悔のつもりで書きました。行動を起こせばよかった、今は強くそう思います。次があれば必ず行動を起こします。もちろん、そんなことをする機会はないに越したことはないでしょうが。